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iDeCo受け取り方|一時金 vs 年金どっちが得?【2026年改定後】10年ルールで税金最小化の戦略

約5分2,644文字

公開 2026.05.15

編集部最終確認 2026.05.15
投資リスク

本記事は情報提供を目的としたもので、特定金融商品の購入・取引を推奨するものではありません。 記載された利回り・リターンは過去の実績または前提条件下の試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。 最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

目次(29項目)

POINTこの記事でわかること

  • 1iDeCoの受け取り方は『一時金』『年金』『併用』の3パターン
  • 2一時金は退職所得控除(30年加入で1,500万円まで非課税)が強力
  • 3年金は公的年金等控除(65歳以上205万円以下非課税)で長期に節税
  • 42026年1月から『退職金との5年ルール → 10年ルール』に改定|受取間隔を長く取る必要あり

「iDeCoで積み立てたお金、60歳でどう受け取るのが一番得?」と疑問に思っている方へ。

iDeCoは 積立時の節税 が注目されがちですが、受け取り時の税制も最大の節税ポイント。 この記事では一時金・年金・併用の3パターンを比較し、2026年改定後の最適戦略を解説します。


iDeCoの3つの受け取り方#

1. 一時金(一括受取)#

積立たお金を 60歳時点で全額一括受け取り。「退職所得控除」で大きな非課税枠あり。

2. 年金(分割受取)#

5〜20年に分割して定期的に受け取る。「公的年金等控除」で毎年の所得から控除可能。

3. 併用(一時金 + 年金)#

例:50%は一時金で、残り50%は年金で受取。両方の控除を活用できる柔軟性。


一時金受取|退職所得控除で大型非課税#

退職所得控除の計算式#

加入年数20年以下:40万円 × 加入年数
加入年数20年超:800万円 + 70万円 ×(加入年数−20年)

加入年数別の非課税枠#

加入年数退職所得控除額
10年400万円
20年800万円
25年1,150万円
30年1,500万円
35年1,850万円
40年2,200万円

30年加入なら1,500万円まで完全非課税。さらに非課税枠を超えた部分も「課税対象は1/2」のため税負担は軽くなります。

一時金受取が向いている人#

  • iDeCo積立額が1,500万円以下(≒ 退職所得控除の範囲内)
  • 退職金が少ない(退職金との合算でも控除枠内)
  • 60歳でまとまったお金が必要(住宅ローン繰上返済・教育費等)

年金受取|公的年金等控除を活用#

公的年金等控除の仕組み#

iDeCoの年金受取は 「公的年金等」 として扱われ、以下の控除を受けられます:

  • 65歳未満:年間60万円まで非課税(公的年金合算)
  • 65歳以上:年間110万円まで非課税(公的年金合算)

公的年金が年200万円の方なら、iDeCo年金分は 65歳以上で205万円超 から課税開始。

年金受取の期間設定#

楽天証券iDeCoの場合、5年〜20年から年金受取期間を選択可能。

年金受取が向いている人#

  • iDeCo積立額が大きい(1,500万円超)
  • 退職金が大きく、退職所得控除を使い切ってしまう
  • 公的年金が少なく、控除枠に余裕がある
  • 老後の安定収入を確保したい

併用受取|両方の控除を最大活用#

併用パターンの例#

iDeCo総額 3,000万円 で30年加入の人:

  1. 一時金1,500万円(退職所得控除で全額非課税)
  2. 年金1,500万円(20年分割 → 年75万円 → 公的年金等控除110万円枠内で多くが非課税)

退職所得控除1,500万円 + 年金控除を全期間で活用 → トータル税負担が最も軽い

併用受取の手続き#

楽天証券iDeCo・楽天証券で始めるiDeCo完全ガイドで解説しているように、60歳時点で「一時金部分」と「年金部分」の比率を自分で決められます。


2026年1月の重要改定|10年ルール#

改定内容#

iDeCo一時金受取と退職金の受取間隔ルールが変わりました:

  • 2025年12月まで:5年ルール(退職金とiDeCoの受取間隔を5年以上空ければ退職所得控除を別々に使える)
  • 2026年1月以降10年ルール(10年間隔が必須)

影響#

会社員で退職金とiDeCoの両方を受け取る方は、受取時期を10年ずらす 必要があります。

具体例#

  • 60歳:iDeCo一時金受取(退職所得控除使用)
  • 65歳:会社退職金受取(5年間隔だと退職所得控除合算扱い → 2026年改定後はNG)
  • 70歳:会社退職金受取(10年間隔OK → 退職所得控除を別々に使える)

退職金の受取時期は会社規定で変えにくいケースも多く、iDeCoは早めに受け取る or 退職金より10年後に受け取る という選択を迫られます。


受け取り方シミュレーション(パターン別)#

パターン1:iDeCo 1,000万円・退職金 1,500万円・40年加入#

40年加入の退職所得控除 = 2,200万円

  • iDeCo一時金 + 退職金 = 2,500万円
  • 退職所得控除 2,200万円
  • 課税対象 = (2,500 − 2,200) ÷ 2 = 150万円(所得税・住民税)

併用のメリットは限定的(合算で計算されるため)。

パターン2:iDeCo 1,000万円・退職金 1,500万円・10年ずらす#

  • 60歳:iDeCo一時金1,000万円受取 → 退職所得控除20年(800万円)で非課税分800万円、課税対象100万円
  • 70歳:退職金1,500万円受取 → 退職所得控除40年(2,200万円)で全額非課税

10年ずらすことで税負担が大幅に軽く なります。

iDeCoの節税効果シミュレーションで積立時の節税効果も解説しています。


受け取り方の判断フローチャート#

退職金の金額は?
├ 0〜1,000万円 → iDeCo一時金で全額受取
├ 1,000〜2,500万円 → 退職金とiDeCoを10年ずらす(2026年改定対応)
└ 2,500万円超 → iDeCo年金受取で公的年金等控除活用

受け取り方を決める前にすべき3つの準備#

1. 退職金規定の確認#

会社の退職金規定で「受取時期」が決まっている方は、それに合わせてiDeCo受取時期を逆算。

2. 公的年金見込額の確認#

「ねんきんネット」で65歳以降の公的年金受給見込額を確認。年金控除枠の余裕を計算。

3. 税理士・FP相談#

「2,000万円超のiDeCo + 退職金 + 公的年金」の方は、税理士・FP相談 が現実的。最適な受取方法は個人差が大きい領域。

楽天証券で始めるiDeCo完全ガイド新NISA完全ガイドも併せて読むことで、老後の資産取り崩し計画が立てやすくなります。

FAQよくある質問

QiDeCoの受け取り方は途中で変えられますか?
A

原則として60歳時点で1回しか選べません。一時金受取後に『やっぱり年金で』はできない。逆に年金受取開始後に『残りを一時金』もできません。受け取り方の選択は慎重に。

QiDeCo年金受取中に死亡したらどうなる?
A

残額は遺族年金として遺族(配偶者・子)に支払われます。受取権利が消滅するわけではないので、家族の生活保障にもなります。ただし相続税の対象になる点に注意。

Q60歳になる前に解約できますか?
A

原則できません。iDeCoは『60歳まで引き出せない』のが鉄則。例外として『加入者死亡・障害認定』の場合は早期受取可能。途中解約はできない代わりに、税制優遇の大きさが特徴。

QiDeCoの受取手数料はかかりますか?
A

受取時の手数料は『1回あたり440円(税込)』。一時金受取なら1回だけ、年金受取なら受取回数分かかります。長期年金受取(20年分割)だと総額1万円超になることも。

Q公的年金とiDeCo年金、両方受け取れますか?
A

可能です。公的年金は65歳から、iDeCo年金は60歳から受取可能なので、5年間iDeCoのみ→65歳から公的年金併用、というパターンが王道。公的年金等控除は両方合算で計算されます。

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参考資料・出典#

本記事は2026年5月時点の税制に基づいて作成しています。10年ルール改定など税制は変更される可能性があるため、最新情報は国税庁・iDeCo公式サイトで必ずご確認ください。個別の税務相談は税理士または税務署にお問い合わせください。

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更新履歴 (1件)
  • 2026.05.15公開(2026年1月の10年ルール改定対応版)

この記事を書いた人

マネログ編集部

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金融・投資領域の取材と検証を行う編集チームです。一次情報(各社公式サイト・金融庁・日本証券業協会等の公開資料)の確認を基本ルールとし、各記事は編集メンバーによる事実確認を経て公開しています。

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